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Maison BeaulieuMAISON BEAULIEUAB ÉDITIONS · フランス料理と欧州歴史記録の出版館
裁判とスキャンダル · 英国

キルマーノックの小冊子

一八一六年十二月、キルマーノック近郊で催された請願集会を端緒とし、壇上の演説とその印刷物を巡って治安妨害罪の法廷闘争が幕を開けた。吹き荒れる霰の下で発せられた語句、草稿に加えられた加筆訂正の真否を巡り、証言は激しく食い違う。裁判所はアレグザンダー・マクラーレンとトーマス・ベアードの双方に有罪を下しつつも、情状酌量の余地を認めた。

キルマーノックの近郊、ディーン・パークにおいては、吹きつける風と霰が人々の声を掻き消さんばかりであった。一八一六年十二月七日、議会改革を求める請願を議すべく集まった群衆は、ある証言者の見立てによれば四千余名に達していたという。職布工のアレグザンダー・マクラーレンが最初に壇上に立った。悪天候の怒号のなかで発せられたこの短き演説こそが、やがて治安妨害を巡る大いなる争点となろうとは、誰も知る由がなかった。

この集会は、当日の朝にわかに思い立たれたものではない。キルマーノックの住民らはあらかじめ委員会を組織し、民衆の困窮を世に問う手立てを練り、公の集会を周到に準備していたのである。証人たちの言によれば、当地の製造業に携わる民は仕事の途絶に喘いでいた。賃金の証言に立ったモスリン商人によれば、精励な職布工といえども、夜を日に継ぐ過酷な労働の果てに週わずか数シリングを得るのが関の山であったという。委員会の面々は摂政皇太子および議会の両院に請願書を奉呈することを期しており、多くの証人が、集会はその一事のために開かれたのだと証言した。

弁護側の証言によれば、マクラーレンは決して弁舌に長けた演説家ではなかった。先立つ弁士たちが次々に辞退したため、やむなく口火を切る役目を引き受けたにすぎない。開会直前まで躊躇を重ね、ある委員の回想によれば、場近くの旅籠にしばし籠もって走り書きの覚え書きを認めたという。降りしきる雨と風、そして霰が聴取を阻んだ。居合わせた者たちが耳にしたのは、それぞれに断片的な言葉であった。アンドルー・フィニーの記憶によれば、請願を摂政皇太子の玉座の下に届けよ、皇太子の深き慈悲をもってすれば民の懇請に耳を傾けられるはずだ、と語られたという。次いで、その訴えを退けることと臣民の忠誠とを結びつける文句があったと語るが、それが民の「叫び」であったか「声」であったか、記憶は判然としない。ウィリアム・メリーもまた、「忠誠など地獄へ落ちろ」あるいは「忠誠のために」という結びの言葉のみを記憶しており、それ以外の文脈を正確に蘇らせることはできなかった。

その文句は、法廷において別の相貌を帯びることとなる。集会の記録として印刷された冊子には、より明確で長々とした言辞が載せられていた。もし皇太子が請願に背を向けるならば、臣民の忠誠を失うであろう、というのである。それに続く「我らの忠誠などくたばれ」という趣旨の発言は、口頭で放たれたものとされたが、印刷された本文には影も形もなかった。法廷に証拠として提出された冊子の該当箇所は、ただ空白のまま残されていたのである。印刷工ヒュー・クロフォードの工房で働くトーマス・マレーは、最初の草稿は組版ののちに破棄されたと証言し、抹消や書き直し、行間への加筆が錯綜し判読し得なかったため、やむなく空欄とした旨を語った。この激越な叫びが争点となるや、弁護側は出版物の中にそのような語句は存在しないと反論した。現存する冊子をいくら繙こうとも、議論の的となった言葉の最初の姿を確かめる術はすでに失われていたのである。

委員会では、演説と決議文を印刷に付すべきか否かが議論されていた。マクラーレン自身は演説の公表を望まぬ意向を示していたとされ、食料品商にして委員を務めたトーマス・ベアードもまた、忠誠に触れたくだりを不穏当と見なし反対した。しかし、そうした異論も計画を押しとどめるには至らなかった。ベアードは印刷の監督に関与し、文法の誤りを正し、刷り上がった冊子の束を自身の店に引き取ったことを認めた。彼はそれを一冊四ペンスで売り捌いていた。印刷工の推計では四百部ほどが刷られたというが、ベアードがそのうち何部を引き取ったかは判然としない。

委員会の内情を巡る証言により、問題の文句の由来は一層の混迷を深めた。ジェームズ・サムソンの言によれば、マクラーレンの草稿を検分する場に居合わせた折、集会の実況を補うべく鉛筆で語句を加筆したのはベアードその人であったという。マクラーレンも同席していたが、異議を唱えた様子はなかったとサムソンは述べた。しかし他の証人らは、ベアードこそがその文句を咎め、削るよう求めたのだと証言した。記録はこの矛盾を解き明かしてはくれない。ある一節の印刷に反対した男が、印刷工に手渡された草稿にその文句を自ら書き加えたというのか。

起訴状が問題としたのは、その一節のみにとどまらなかった。マクラーレンには政府および議会の権威を失墜せしめる演説をなした罪が、ベアードには集会の演説や決議を収めた文書を世に頒布した罪が、それぞれ申し立てられた。検察側は、これら印刷された数頁を治安を乱す扇動の書として断罪した。庶民院への批判、改革の要求、そして破棄され得る忠誠という形象は、ことごとく既存の秩序に対する不満を煽るものだと主張したのである。これに対し弁護側は、住民が集まったのはあくまで請願のためであり、自らの窮状を訴え、望むべき方策を論じ、しかるべき権威に対して願い出る権利は民にあると応酬した。

法廷における争いは、言葉の真意のみならず、証拠そのものの信憑性を巡って紛糾した。フィニーは結びの言葉を聞いたと言い張るものの、吹雪く荒天のなかでは記憶の輪郭はおぼろげであった。マクラーレンは演説を行い草稿を渡した事実は認めたが、印刷された記録は自身が語ったことに「近い」というにすぎず、忠誠に関する箇所の文面は受け入れがたいと異議を唱えた。さらに草稿の一部を執筆したことは認めつつも、集会ではその段落を口にしなかったと申し立てた。一方のベアードは、群衆の前で一度たりとも口を開いてはいなかったが、小冊子の作成と販売に深く関与した事実は、複数の証言および本人の口供によって明白とされた。

弁護人らは、改革の請願と暴動の扇動との間にある一線を力説した。現に皇太子や議会宛てに請願書が送られたこと、集会が極めて平穏裡に行われたこと、被告両名の廉直な人柄、そして集会の後にキルマーノックで何の騒擾も起きなかった事実を列挙した。弁護側の論理は、冊子の一語一句が慎み深いと強弁するものではなかった。ある種の粗削りな調子は認めつつも、粗野な表現をもって直ちに不穏な意図の証左とすることはできぬと説いたのである。これに対し検察官は、文脈全体を精読し、議会批判と忠誠破棄の条件付き威嚇は、もはや請願の範疇を逸脱していると断じた。

記録の標題には一八一七年三月五日から七日の日付が記されている。陪審評決について、書物は四月七日の小見出しを掲げる一方で、陪審調書には四月六日の日付がある。弁護側のジェフリー弁護士は、この六日が日曜日であったことを指摘している。審理の果てに、陪審はマクラーレンを賛成多数により、ベアードを満場一致により有罪と判決した。ただし陪審員らは、両名のこれまでの堅実な素行を考慮し、裁判長に対して寛大な処置を勧告した。

裁判所は両名に対し、エディンバラのキャノンゲート監獄における六ヶ月の禁錮刑、ならびに釈放後三年間にわたる品行方正を約する保証金の提出を命じた。その決定書の文面は、ベアードに二百ポンド、マクラーレンに四十ポンドの保証金を定めている。ある判事は口頭でベアードに三百ポンドを課すべしと発言していたが、最終的な判決書には二百ポンドと記された。裁判官らの討議の過程と、最終的に命じられた額の双方を記録が留めている点は見逃せない。

ディーン・パークの集会は、慎ましき請願の企図より始まった。しかして印刷された書物のなかで、それは二人の男に対する治安妨害の有罪宣告へと行き着いた。その二つの出来事の狭間には、破棄された草稿、霰のなかで聞き取られた不確かな言葉、異論を呼んだ加筆、そして食料品店の店先で売られた小冊子が横たわっている。下された判決は、法が規定する罪責を截然と裁ち切った。されど、曖昧な記憶を動かぬ確証へと変えることも、紙に刷られた文字を真実の肉声へと昇華させることもできなかった。この一件において紙片とは、裁きの対象であると同時に、原本の喪失によって永遠に議論の幕引きを拒み続ける、欠落した証拠そのものだったのである。

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中篇小説(ノヴェラ)

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長篇小説(ロマン)

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大河三部作(トリロジー)

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歴史的典拠と文学的再構成について

本篇は『国家裁判抜萃(A Complete Collection of State Trials)』第33巻(続編第12巻、ロンドン、1826年刊)所収の第698事件(1〜144欄)の記録に基づいている。該当箇所のOCR翻刻を精読し、標題、要旨、冒頭部、判決見出し、および主文の記載については、原書のPDF影印本計5頁と綿密に照合した。なお、これらは法廷速記に基づく公刊記録であり、手稿の公判原本そのものではない。証言の食い違い、印刷された判決日付のずれ、審理中の発言と決定書における保証金額の差異については、原典の記述通りに留めてある。

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